癇癪中は、安全を守って少し距離を取る
癇癪の最中は、言い聞かせたり理由を問い続けたりしても、言葉が届きにくいことがあります。物を投げる、手が出る、大声で泣き続ける時は、危険なものを遠ざけ、説得や質問を重ねずに少し距離を取ります。
距離を取ることは、子どもを見捨てることではありません。親子ともに興奮した状態で言葉をぶつけ合い、反応をさらに大きくしないための時間です。声をかける場合も、「ここにいるよ」「落ち着いたら話そうね」など短い言葉に留めます。
自傷や他害の危険がある場合は安全確保を最優先にし、家庭だけで抱えず、必要に応じて医療・福祉・学校などの専門機関へ相談してください。
癇癪の背景を見る4つの視点
一つ目は、子どもがその出来事をどのように受け取ったかです。親は予定を伝えただけでも、子どもは「急にやめさせられた」「気持ちを無視された」と感じているかもしれません。
二つ目は、余力やコンディションです。空腹、眠気、学校での疲れ、音や人の多さなどが重なると、普段なら受け流せることにも強く反応する場合があります。
三つ目は、本人が何をしたかった、何を守りたかったのかです。「最後までやりたかった」「自分で決めたかった」「負けたまま終わりたくなかった」など、本人なりの願いやこだわりが隠れていることがあります。
四つ目は、環境や関わり方です。突然伝えられたのか、事前に予告があったのか。大きな声で急かされたのか、選択肢を示されたのか。周囲の条件によっても反応は変わります。
落ち着いた後に、行動の前後を振り返る
ABAの考え方では、行動だけでなく、その前後に起きたことを見ます。癇癪の前に何があったか、実際にどのような行動をしたか、その後に周囲がどう対応したかを分けて振り返ります。
例えば「ゲームをやめるよう伝えたら暴れた」だけで終わらず、帰宅後で疲れていた、終了の予告がなかった、親も急いでいた、と整理すると、次に変えられる部分が見えてきます。比較的落ち着いていた日との違いも、大切なヒントになります。
問い詰める前に、本人の感じ方を聞く
落ち着いて話せる状態になったら、「どうしてあんなことをしたの?」と問い詰めるのではなく、「あの時、どんな感じだった?」「もう少し詳しく教えて」と聞いてみます。
すぐに答えが返ってこなくても大丈夫です。子ども自身も、自分の中で何が起きていたのか分からないことがあります。答えを急がず、一緒に確かめていく姿勢が、次に違う伝え方を選ぶための土台になります。
一度でなくすより、起きやすい条件を知る
癇癪を一度でなくす方法を探すより、起きやすい条件を知り、家庭に合う関わり方を少しずつ増やしていくことが大切です。
Orange Uでは、子どもの行動だけを見るのではなく、その背景にある気持ち・コンディション・環境を整理しながら、家庭に合う関わり方を考えます。
コラムで紹介したのは、Orange Uで扱う考え方の入口です。 実際の見立てや声かけは、年齢・特性・その日の状態・家族関係によって変わります。 講座と相談では、あなたの家庭に合わせて一緒に組み立てます。
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