自分を責めるのは、大切に思っているからこそ
子どもに困りごとが起きた時、自分の言い方や過去の選択を何度も振り返ることがあります。「もっと早く気づけばよかった」「あの時怒らなければ」と考えるのは、子どもを大切にし、何とかしたいと思っているからでもあります。
けれど、自分を責め続けるほど正しい答えに近づけるとは限りません。心の余力が減ると、子どもの小さな変化が見えにくくなり、同じ場面で焦りや怒りが強くなることがあります。
反省をやめる必要はありません。自分を傷つけることと、これからできることを選ぶことを分けます。
事実と「私のせい」を分けてみる
「子どもが朝、学校へ行けなかった」は事実です。「私が甘やかしたせいで行けなくなった」は、事実に意味を加えた解釈です。解釈が絶対に間違いということではありませんが、それだけが理由だと確定したわけでもありません。
子どもの反応には、本人の受け取り方、疲れや体調、学校や家庭の環境、人間関係、発達特性など、複数の条件が重なります。親の関わりもその一つですが、すべてではありません。
紙を二つに分け、左に起きた事実、右に頭に浮かんだ解釈を書くと、今分かっていることと、まだ分からないことを整理しやすくなります。
自分責めと、自分で選べる責任は違う
「私はダメな親だ」と人格全体を責めても、次の行動は見えにくいままです。一方で、「昨日は余裕がなく大きな声になった。今日は話す時間を変えてみよう」と考えると、自分で選べる部分が具体的になります。
Orange Uでは、自責を「全部自分が悪いと思うこと」ではなく、自分が選べる範囲を引き受けることとして考えます。子どもの気持ちや行動まで親が背負うのではなく、自分の言葉、距離、休み方、相談先など、今選べるものを一つ選びます。
謝りたいことがあれば、「親なのにこんなことをしてごめん」と自分を下げ続けるより、「昨日は大きな声で言ってごめん。次は一度離れてから話すね」と、行動を具体的に伝えます。
親自身の余力も、子育ての条件に含める
睡眠不足、仕事、家事、きょうだいへの対応、夫婦や周囲との関係が重なれば、誰でも余裕を失います。それを意志の弱さだけで説明せず、子どもの行動を見る時と同じように、親のコンディションや環境も見ます。
毎日穏やかでいることを目標にすると、できなかった日にまた自分を責めます。「今日は返事をする前に一呼吸置く」「五分だけ一人になる」「相談を一件予約する」など、今の余力で実行できる大きさにします。
自分の好きな時間や休息を取ることは、子どもを大切にしていない証拠ではありません。親と子どものどちらか一方だけを守るのではなく、両方を大事にできる範囲を探します。
一人で抱えず、助けを具体的に頼む
「助けてほしい」とだけ伝えるのが難しい時は、「明日の朝の準備を代わってほしい」「学校への連絡を一緒に整理してほしい」「解決策ではなく、今日は話を聞いてほしい」と、必要な助けを小さく言葉にします。
家族に頼みにくい場合は、学校、地域の相談窓口、医療・福祉、民間の支援など、家庭の外へつながる方法もあります。相談することは、親として失敗した証拠ではなく、使える環境を増やす行動です。
つらさが強い時は、親自身の安全を優先する
眠れない、食べられない、涙が止まらない、何も手につかない状態が続く、自分や誰かを傷つけそうになるなど、心身の安全が心配な時は、子育ての方法を考えるより先に医療機関や地域の相談窓口へつながってください。
Orange Uでは、子どもの変化だけでなく、親が自分の気持ちと選べる範囲を取り戻すことも大切にしています。完璧な親になるのではなく、迷った時に立ち止まり、家族に合う次の一歩を選び直せる状態を目指します。
コラムで紹介したのは、Orange Uで扱う考え方の入口です。 実際の見立てや声かけは、年齢・特性・その日の状態・家族関係によって変わります。 講座と相談では、あなたの家庭に合わせて一緒に組み立てます。
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