「ゲームが好きだから」だけでは分からない

ゲームや動画をやめられない理由は一つではありません。楽しいことから次の行動へ切り替えるのが難しい、「あと何分」の感覚をつかみにくい、負けたまま終わることを受け入れにくいなど、さまざまな背景があります。

学校や習い事で疲れ、他のことを考える余力がないこともあります。宿題などの苦手なことを避けていたり、オンライン上の友達や実況者とのつながり、成功や上達を実感できる場所を大切にしていたりする場合もあります。

ゲームが安心できる時間や人とつながる場所になっている時、その役割を理解せずに取り上げると、「楽しみを奪われた」「分かってもらえない」という反応が強くなることがあります。

時間を減らすことを、最初の目標にしすぎない

Orange Uでは、まず利用時間を減らすことよりも、子ども自身が自分の状態を理解できることを大切にします。

どんな時に長くなりやすいのか、終わろうと思っても終われないのか、ゲームの後に何をする予定なのか、ゲーム以外で休めるものはあるか、本人は今の使い方をどう感じているのかを整理します。

その結果として、自分で終了時間を決める、休憩を入れる、生活に合わせて遊び方を変えるなど、本人が選べる状態を目指します。

行動の前後を見てみる

ABAの視点では、「ゲームをやめない」という行動だけで判断せず、その前後を観察します。

例えば、夕食だからやめるよう突然言われ、子どもが大声で怒り、親が言い争いを避けるため30分延長する流れが繰り返されると、子どもは意識していなくても「強く反応すると延長される」と学ぶ可能性があります。

これは、親が悪い、子どもがずるいという話ではありません。家庭の中で、たまたま同じ流れが定着しているということです。誰かを責めるのではなく、変えられそうな部分を探します。

切り替えやすい予告をつくる

遊びの途中で突然「今すぐやめて」と言われるより、事前に見通しがある方が切り替えやすくなります。

始める前に終了の条件を一緒に確認する、「あと5分」だけでなく「この試合が終わったら」と具体的にする、タイマーや時計を使う、終了後にすることを一つだけ伝えるなど、子どもが守れる範囲から約束をつくります。

「どこまでなら終われそう?」と本人の考えを聞くことも大切です。ただし、毎回その場で交渉を始めるとルールが揺れやすいため、落ち着いている時に話し合い、始める前に確認します。

切り替え始めた時点を認める

ゲームを終了して、すぐに食卓へ来るところまで待つ必要はありません。声かけに返事をした、コントローラーを置いた、セーブ画面を開いた、電源を切ったなど、切り替えが始まった段階で認めます。

「終わろうとしているね」「約束を思い出せたね」と途中の行動を言葉にすると、子どもが次も試しやすくなります。

怒りが大きくなった時は、長い説教やルールの話し合いを続けません。危険がある場合は安全を確保して距離を取り、お互いが落ち着いてから、何が難しかったのか、次は何を変えるかを振り返ります。

時間ではなく、その前後も記録する

ゲームや動画を見ていた時間だけでなく、始める前の状態、終わりにくかった場面、声かけ、その後に起きたことを記録します。比較的スムーズに終われた日との違いも大切なヒントです。

「学校から帰った直後は難しい」「対戦中に声をかけると荒れやすい」「夕食までの予定が見えると終わりやすい」など、その家庭に合う条件が見つかることがあります。

睡眠や食事、健康状態、学校生活などへの大きな影響が続き、家庭だけで調整することが難しい場合は、医療機関や地域の相談窓口などへ相談することも検討してください。

ここから先は、家族ごとに違います。

コラムで紹介したのは、Orange Uで扱う考え方の入口です。 実際の見立てや声かけは、年齢・特性・その日の状態・家族関係によって変わります。 講座と相談では、あなたの家庭に合わせて一緒に組み立てます。

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